大人のためのセレクション
そもそも、やな予感はしてたんだ。
取締役に誘われて軽い気持ちでいった、ある女性アーティストのミニライブと打ち上げ。
アーティスト本人不在、関係者10人ほど参加な打ち上げ。
本人いないのはさみしいが赤坂の恐ろしく旨い小料理屋だった。
料理はいいが集まった人はいかに?
そこにいるだれもが無類の音楽好きときたもんだ。
往年のビックリマンシールのレア度を自慢するように最近自分だけが見つけたアーティストを各々自慢のアイポッドやらパソコンを取り出しみんなに聞かせはじめた。
デパペペ、グルーブライン、フライドプライド、倉本裕基はまだ良い。もっとまだ知られていないアーティストの自慢が始まった。
テレビ製作会社の女性、歌手を名乗る女性。男たち8人くらいのターゲットだった。これいいでしょう?あれいいでしょう?
そしてそれらにその人はいちいち頷くものだから、男たちはさらにいきりたった。
大人のためのセレクション。まさに地で行く場であった。
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自分の音楽性の素晴らしさにいきり立った男たちは、こう言う。
「歌いに行こう!いいやセッションしに行こう!」
う、うぇ〜!セッションって?
「渋谷のバーHならばピアノが置いてあるぞ!あそこにしよう!」
ということで、10人、一路渋谷のバーHへ。
薄暗い落ち着いた店内に一台、ピアノが。ピンスポットを浴びている。
大人のセレクション、T○S、K氏が、おもむろに弾き始める。
結構、これがうまい。ていうか相当うまい。
ズートルビだあ!レリビーだ!
「レリビー!レリビー!」
セレクションズらはピアノに合わせて歌い始める。大声で歌いはじめる。
おうぅ。
歌手嬢が、ハナミズキを歌う。これもうまい。
北海道ブロック代表われ等のU氏がピアノ弾き語りで、ジョージアオンマイマインドだ。
感涙なセレクションズ。
もうこうなるとロマンティックはとまらない。
御大H氏が言う。「じゃぁおれはアカペラで、ユーミンを。海をみていた午後を:」
歌いはじめる。
えっえ〜、うまいんすけど。なんか玄人なんですけど。
10人いてわかったこと。
楽器ができないのは俺だけってこと。
「おまぇは何を歌ってくれるんだぁ?」
セレクションズの俺への攻撃が始まった。
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じゃぁ憂歌団で胸が痛いがいいです。
とオレ。
じゃぁやってみろ!とみんなに言われて、はじめるオレ。
立ったほうが歌いやすいよとどこからかマメアドバイス。
その声に従って立って歌う俺。
知らないうちにケミストリーばりに片方の手は胸において、もう片方は外に向けて動かしだした。調子を合わせて〜
「おまえに〜こいして〜〜」、相変わらず泣ける歌いだしだ。今日のオレは相当いけている。
「おいおいなんか普通じゃない!?ブッブーバツバツ!」とH氏。
え〜、え〜っ。みなの目を見る。確かにNGな目でオレを射抜いている。
これぞセレクションズ!きびしいぜい。
「まぁいいや、じゃ、早くサビ歌って!」とさらにH氏。
オーディションを受けに来て、早々のダメだしをくらったような田舎の学生ばりの仕打ち。
素人歌合戦でもないのに、この世の中の厳しさ。きっちぃ〜、オレ35歳。
しかもいきなりサビからですと〜
なんの溜めもできず歌う俺「胸が痛い〜胸が痛い〜。」
まさに今の気持ちをそのまま歌った感じになってしまった。
「はいはいはい終了〜!」とRIKACOが下手なダンスグループのPLAYをさえぎるような往年のSTOPモーションをH氏にかけられて俺の夏は終わった。
つれぇーぜ。大人。
すげーぜ大人のためのセレクション!
この後、K氏には親類からギターが届き、さらにセッションは続いた。ピアノとギター。時にギターのみで。
おれは完璧にオーディエンスになった。
気づくと手拍子とか「ヒュー!」とか「ガッチャ!」とか奇妙な合いの手が上手くなっていった。
結局、オレを除いて、みーんな楽器うまかった。みーんな歌うまかった。
社内のH氏もU氏ももちろんギターもいけちゃうわけ。歌もいけちゃうわけ。
コンプレックス。。。。。。。。。。。。。
あぁーーーー大人つれぇ。
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