テレビで深夜食堂を見ていたら、なんだか無性にハートウォーミングなきもちになってしまった。

ハートウォーミングなことを思っていたら次男の笑顔を思い出しました。

今は亡き次男をキャラクターのモチーフに書いた子供向けの読み物です。自分が書きました。
写真はデザイナーの永瀬さんが僕らの意向を受けて当時書いてくださった次男キャラクター「ユードコロン」です。ユードコロンはいつもチャレンジしてチャレンジして、でも倒れそうなとき、アナタの傍らにいて、いつもあなたを元気づけるそんなキャラクターです。次男がユウドウという名前でした。彼の名前の由来だったYOU CAN DO IT!と、でも頑張っても転んでしまうを擬態化した「コロン」、合体して「ユードコロン」です。人生、七転び八起き。そんな思いで付けたキャラクターの名前です。
どなたかに絵本にしてもらいたい、当時2年前ですね。そう思って書きました。ハートウォーミングな夜だったので、これを読んでくださる皆様に勝手な付け届けです(笑)



「ユードコロンストーリー」

ある朝のこと。

ママに「学校のよういしたの〜しゅくだいやったの〜」

っていわれて、そんなのやっているよ!!っておもって、つい
「うるさ〜い」って言ってしまってへやからかいだんをおりたぼく。
みんなにいってきます!もいわないでげんかんをあけた。

げんかんをあけるとげんかんの前におおきなにんぎょう!?があった。

あかやきいろのからだをしただるまさんみたいなにんぎょうだった。
ぼくの顔をみるなりにこっとした。

ちょっとこわくておかあさんにうるさいといったこともわすれてかけだした。

うしろをみるとそいつがあとをつけてくる。

はしるとまたはしってついてくる。

学校にいかなくっちゃっとおもっていたけどまーくんとケンカしているのをおもいだした。

きのう帰るときにまーくんたちとかんけりをしていた。
まーくんがおにだったときにぼくのかんをけったのとまーくんがぼくをみつけてかんをおさえるのとがほぼどうじだった。
ぼくのほうがはやいとおもったので「ヤッター」っていったら、まーくんも「やったー」っていっていた。けっきょくどっちがはやいのでいいあいになってケンカしてわかれてしまった。

そんなことをおもいだしたらいやになってすこしまわりみちをしようとすると
そのにんぎょうがぼくのまえにたちふさがった。

にこってわらったあとくびをよこにふった。

よこをとおりぬけようとしたらささっとまえにうごいてぼくのしょうめんにまわる。ちくしょう!とはんたいがわをとおりぬけようとしたらやはりぼくのしょうめんにきてしまう。

おまえはなんなんだよ!!

っていったら

ぼくはユードコロン。きみのみかた。

という。

みかたならどいてくれよぉ!

というと首をよこにまたふる。

しょうがないので今きた道をまた学校のほうにひきかえすとうしろをユードコロンというやつはついてきた。


がっこうにいく道の道ばたに花がいっぱいさいている。

ぼくのいく道に花がいっぱいさいてくる。

きれいだねとユードコロンがいう。

やがて虫たちがあつまり、鳥たちがあつまってきた。


まーくんの家が近づいてきた。

どうしよう?

今日はピンポンするのやめようかなぁ?

ユードコロンをみるとさみしそうな顔をしている。

しょうがないので、いつもみたいにピンポンをする。

まーくんの家の門からげんかんのところまで色とりどりのお花が列をつくった。

鳥がきれいな声でうたいはじめた。

「まーくんおはよう!」
「まーくんおはよう!」

ぼくもつられて
「まーくんおはよう!」ってうたってしまった。

そしたらまーくんがでてきた。

まーくんははずかしそうに
「どうしたの」ってきくから

「今日しりあったユードコロンのまほうみたい」ってぼくはいって、
「きのうはごめんね。」
っていったらまーくんも
「ぼくもごめんね」
っていっててをだしてきた。
ぼくとまーくんはあくしゅした。

ユードコロンはにこにこ笑って。

「ちゃんとごめんなさいできたね」っていった。

ぼくは思い出して「あそうだ、ママにもいえかえったらごめんなさいしないと」っていったら
「そうだね」とユードコロンはいった。

なんだかうれしい気持ちになってまーくんとぼくは手をつないで学校にいった。
とちゅうで道を掃除しているおばさんやお手紙をくばっているゆうびんやさんにも元気よくあいさつができた。おばさんもゆうびんやさんもニコッとしてくれて「おはよう」ってへんじをかえしてくれた。
おばさんとゆうびんやさんの前もお花だらけになってとってもびっくりした。
ぼくとまーくんはうれしいプレゼントができてもっともっとうれしい気持ちになった。

「いつもこんなきれいなお花をみながらがっこうにいきたいよ」とぼくがユードコロンにいったら
「みんなでいつもお花に水をあげるのをわすれなければいつまでもきれいなまんまだよ」といった。

明日からもお花にお水をきちんとあげて、ママやかぞくやともだちやきんじょの人に元気にあいさつしようっておもった。

ぼくとまーくんはおたがいに顔をみて「うん」ってユードコロンにうなずいたんだ。

ユードコロンのそのときの笑顔はまぶしくておひさまみたいだった。