CHEMISTRYになったぞ
昼寝してたら夢の中で俺はCHEMISTRYになってた。
有無をいわさずCHEMISTRY。ごついほうカワバタだった。しかも姿形は今のままの俺なのに。
周囲のスタッフは誰も気付いてない。
要は俺はカワバタになりきっている。
サイタマスーパーアリーナでのライブ数時間前の設定だ。
マネージャーらしき人がCDをたくさん持ってきてサインするよう言われる。ドーチンがすらすら書き始める。困った。サインしらねぇ。
やだと断ると馬鹿野郎、会場で売るんだよ、早くしろとマネージャー。
ヤダとスネたように部屋を飛び出し、トイレにこもる俺。困ったよ。サイン!?ローマ字崩し書きかな?王貞治風漢字書き崩しかな?もしかしたらYO!BRO.とかアレンジ利かせてあったらどうしようと思ってるとどんどん扉をマネージャーにたたかれる。
やなんだよサイン。
馬鹿、やれよ。
ヤダヨ……
そんなでライブの時間が近づく。
おれはトイレからステージに直行した。
どでかいステージなのに全く緊張しなかった。
しかも結構知ってる曲多い。ドーチンとの掛け合いもバッチリ。ソツなくこなしてた。アレンジも利かせてしまったり。
よっしゃ楽屋戻ったらサインしよう、適当でいいや!俺はアーティストだぞ
って思ったら目が覚めた。
ただの暑い昼下がりだった。