ミラクルボーイのこと


妻のYAWARAのミクシーで書いていた日記に夫として男として人間として打たれました。



以下にその内容を記します。
よろしければしばしお付き合いください。私どもの次男坊のことです。





ラクルボーイ。
我が家に産まれた次男の顔をみていて思う事です。
だいぶプクプクしてきて、その肌も柔らかく、 病院でも評判の目力のあるかわいいベイビーです。

次男由堂は10月30日に産まれるも今もなお入院中です。
母親の私の妊娠中毒症が原因で予定より5週も早く産まれた訳ですが大きさも充分、形成上の問題もなく、りっぱな赤ちゃんとして産まれました。

しかし、早産ゆえ万全の体制がとられ、24時間病院で見守る体制が取られているなかでなにか少し変だぞという医師の勘で調べたところ、先天性の代謝異常の疾患があるようだとなりました。

代謝異常と聞きましてもすぐにはピンときませんでした。
先生も説明はしては下さいませんでした。
そこで調べる訳です、本屋で医学書読んだり、ネットで調べたり。
そこにあるのは、非常に深刻な希少難病の説明ばかり。
自分自身の体で生きて行くための代謝のバランスが取れない体。
症例も少なく、治療法はない、ということ。
つまり生きながらえて行くのは非常に困難な体だということです。

体を作ることができないならば、ここに産まれてきたことも奇跡。
「だから、こうして少しでも生きていること自体が奇跡です。」
とある先生はおっしゃったそうです。

我が子の病院でも初めての症例。主治医も、「診断がつかず困っています、でも診断だけはつけてあげないとね」
「でも、いづれの疾患名がついても治療法はないのですよ」
「5歳までの生存率は半々かな」
ともおっしゃいました。

でも患者さんの体験では、ある病院の先生は 「私たちは生きていることだけが奇跡だと放り出しておくわけにはいきません。 普通に生活ができるようにさせてあげないといけないのです!!」
と強くおっしゃったそうです。
そして、その治療をうけた患者さんは今も6歳で元気に成長しているそうです。

私たち親は、病気の名前がなんであれ、この子に少しでも多くの幸せと感じる人生を送らせてあげたい。
可能性があるのならどんな手をつくしても治療を目指したいのです。
診断はつけるけど治療の模索はないと感じられる病院にはいられない。
祈願したり奇跡を信じたり、それだけではない、医師でもない、親だからできることをしようと思いました。
そこでできるだけベストと思われる病院探し、医師探し、に努力することにしました。
間もなく転院する予定で、新たな視点での見解をききたく思ってます。
転院先でいいお医者さまとの出逢いがあることを祈っているのです。


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これまでのこと。

産まれた日。
感動で泣きました。
新たなる命に出会える瞬間は幸せでいっぱいになります。
産まれてきてくれたことに感謝しました。

産まれて一週間。
小さな体ながらがんばって生きているのを感じてその力強さに感動していました。
でもまだまだ未熟児。
毎日、保育器の中の小さな手を握って応援していました。

二週間目。
出産時の酸欠や低血糖が脳の損傷を起こしている可能性があるとのことで検査。
生きた心地のしないなか、結果は異常なし。
その安堵の気持ちは、無味無臭で白黒でしかなかった世界が、突然の豪華絢爛で美食の限りの味わいの世界に変わった、そんな感じです。

四週目。
だいぶ元気に大きくなりました。
そろそろ退院だね、とそういう話になってました。
私だけ先の退院となったので毎日面会に通い母乳も届けました。


五週目。
代謝疾患のある病名がクローズアップされてきました。
幸い発症前ではあるが発症してしまうとそのまま死を迎えたり予後が非常に悪かったりだと聞かされました。しかし結果がでるまで3〜4週待ってほしいと言われました。
その結果待ちの間も、対症療法としてミルクを特殊なものに切り替えたり、投薬が行われたり。母乳を与える生活は断念するように言われました。

この時点から三週間くらいの間は、あまりの深刻な病名に目の前が真っ暗になったり、でも、元気そうに見えるし違うのではないか、と思ってみたり。
元気のあるように見える日は親の心も少し晴れ楽観、少しでも元気のみえない日は親は夜も眠れない。そんな気分の浮き沈みの激しい毎日を送っておりました。

七週目。
体重は減るばかり。体力の衰えも見ていて解ります。
このままでいいのかと何度も先生に相談します。
診断を待ちましょう、状態のキープは出来てます、とのこと。
しかし、病気であることは明らかだと感じるに至りました。
もう楽観にばかり逃げてはいられないと決意致しました。

八週目。
極度の貧血。脱水症状。ケイレン。手足の震え、目の動きの異常。肌荒れ。
いろいろは代謝異常特有の悪い状態が現れて来ました。
輸血や点滴などで対症療法を行う。上記の状態は改善する。

めずらしい病気だとしても経験のあるお医者さまはいるはず、と調べ始める。
難病ゆえ、患者さんの会が存在し、コンタクトをとる。
数々の励ましのお言葉、アドバイスを頂く。
本当に親身になってくれていることを肌で感じる。
勇気と希望がわいてくる。

九週目。
病院で元気に成長しています。
かわいい、かわいいと看護師さんによく遊ばれています。
肌荒れもなくなりもちもちプリプリでかわいらしくなりました。
この命、簡単には亡くさせたくありません。


ラクルなボーイ。
今後もきっとミラクルを起こしてくれると信じています。
なかなかこんな状況をご報告するのも憚れたのですが
でも、私たち夫婦はみなさんの励ましが力になると感じたのです。
パワーの充電がしたいとき、みなさんのお気持ちがうれしいかったのです。
えらそうな事を言っても震える毎日を送っているまだまだちっぽけな弱い親です。
どうか、力をわけて頂きたいのです。

今後とも、よろしくお願い致します。