おふくろの味フロム目黒 CLASKA

tactnet2004-05-04

5月2日夜、一瞬だけ会社に行った。仕事帰りの23時頃、弟夫婦の目黒の家に夜ちょっと寄った。弟嫁さんの7ヶ月のおなかをちろっと見に寄っただけなのに、なぜかジョン・ロブの靴を弟にもらってしまった。履かないからって10万円相当を。

なんてスゴイ寄り道になってしまったのだ!

そしてなんて気風のいい弟!よ、エログラファー!



ていう話しではない。

弟宅のテーブルの上にミルフィーユがあったので、いただいた。それは高円寺駅前のトリアノンのものであった。とりたててうまいわけではないのだが、弟曰く、一番ウマイミルフィーユだとのこと。

弟は嫁を度々、自分の小学校1年から大学生までの15年間の育ち故郷「高円寺」につれていくらしい。商店街にある定食屋のあれが最高、あそこの焼き鳥が最高と。わざわざ渋谷や新宿にいても腹が減ると高円寺の店たちにいっちゃうらしい(嫁談)。だからこのミルフィーユもその一連なんだそうだ。

で嫁がそのお勧め店で実際に食ってみると油濃かったり、塩辛かったりで、うまくないんだそうだ。

理由は分かっている。当時、僕ら兄弟の食事は全て外食に近かった。父と離婚した母は商売をしていたので、なかなか全員揃って朝食や昼食やましてや夕飯を食べるということはなかった。

朝、テーブルにお金が置いてあった。夜までの食事資金であった。

それで近所の食堂に食べに行ったり、店屋ものを出前したりしていた。当然弟も。

だからこの件ではっきり弟に関して言ってしまうと、彼の「おふくろの味」はそれらの味なんである。おふくろの手料理が最高って言う男たちのように、高円寺の名も無い定食屋たちの味が彼のベースなのだ。もちろん俺もかもしれない。

実は俺も高円寺の中華料理屋のチャーハンと餃子の味が忘れられなくて、数年前に食べに行った。しかし、正直食えたものではなかった。

店のオヤジは俺の顔を忘れていたが、昔店に入ると「毎度」とか「最近どうなの」とか世間話をしてくれていた。実はそれが今考えると味のプラスアルファなんではないかと思ってしまう。

よく最近のお袋の味はお袋(ラッピングされた惣菜)の味だと揶揄された記事を見るが、僕ら兄弟は昔から、そちらのほうのお袋の味を経験していたのかもしれない。そう現代っ子さ。

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