案外、ウンチク好きなもので

俺は村上龍が好きだ。

会社の喫煙室には雑誌が置いてあって、その雑誌には村上龍が「案外、買い物好き」と銘打ったコラムの連載を持っている。

昨日、喫煙室に入ると26歳女性の先客がいてその雑誌の龍コラムを読んでいた。

「こいつきもちわるいよね」と彼女は俺に言う。
もちろん龍のことである。
「暑苦しいくせにファッションとか語るなよ。シャツ千枚持ってるとか何、自慢してんの。意味わかんない!この(連載のタイトル)案外、って何だよ。買い物好きでいいじゃん!バブルっぽいんだよな。」
さらに
「見て見て、これ肉おでんが美味いって話なのに、サッカーにF1の事まで盛り込んでる。肉おでん美味い!でいいじゃん。ていうか肉おでんって何だよ」
俺、「イヤーそれは作家だから膨らませて書くでしょうに。肉おでん美味い!だけじゃこのページ埋まんないよ。肉おでん美味い!って一行で1ページもどうかと思うよ。
あとさぁ龍は作品はいいんだよ!愛と幻想のファシズムとかコインロッカーベイビーズとか読んでみなよ!面白いよ。」
「(プロフィールを読みながら。)えーヤダ。なにこの限りなく透明に近いブルーって。限りなく透明なんてとっちゃえば!ブルーでいいよ!ブルーでいいじゃん!」
龍ぶったぎりである。
確かにそういう面もあるが、辛かった。
「ねぇ秋元康って?」俺が言い終わらないうちに『だいっ嫌い!』と言われて思わず納得。
またひとつ俺は親父の階段を登りました。

昔この彼女に、くりーむしちゅーの上田みたいだよねウンチクがと俺言われたのを思いだした。。
TedTak.au