華麗なる一族

最近、カレーが好き。
だいたい週に三回くらいは食べてる。
食べると元気がでる気がする。

以前、うちの会社で働いていた奴はほぼ毎日カレーを食べてた。
なんで毎日カレーなの?飽きない?とそいつをさんざんからかっていた。なのに今や自分がそれだ。

独りでカレーを食べる度にそいつを思いだす。
仕事で俺はしょっちゅう彼を怒ってた。自分の中でも珍しいくらい怒鳴っていた。なりものいりで途中入社したくせに奴は信じられないような失敗や物忘れをしたりするからだ。
でも実は自分自身もちょっと前はそうだった。信じられない失敗をいっぱいして上司や先輩に怒鳴られた。怒られて俺は育った。
だから彼は自分と似た人間だなと思いながら愛のむちをふるってた。

しかし本人に聞くとそんな思いも届かず当時、精神的には本当に辛かったようである。今は外資の証券会社で本人曰くバリバリ出来ているらしい。あんなにパニクったのも自分の人生で初らしい。
結果を言えばはうちでいい経験をしたのだろう。

当時彼は気持ちをまぎらわすためかわからないが、せめて好きな食べ物をと夜な夜なカレーを食べていたのだろうか?

そんなカレーな彼の影響ではないが、精神的につらいとカレーを食べる機会が増えた。
よしカレー食べよう!食べると不思議と元気が出る気がする。

フランチャイズのカレーショップの味の違いも分かってきた。
カレーは甘くない。ハードボイルドな食い物だ。細胞ひとつひとつにスパイスが入りこみ、元気だしやがれこの野郎、甘えてんじゃねぇ馬鹿野郎とやられる。

また今日もカレーを食べよう。

蛇足だがカレーな彼が所属していた我が営業一部は社内社外問わず、えらい人気無い部署である。社外では内定しても○○会社の営業ですかぁ?と断る奴もいたし、社内異動を断固拒否した奴もいると聞く。
そいつら誰もが言う。あの部署辛そうだもん。人間らしい生活したいですもん。
あぁかなしや営業マン!
そんなだから俺は失恋レストランでカレーおかわり。
TedTak.au