これでモテモテヘアカタログ350

その日の美容院は混んでいて、スタッフも忙しいのだろう。いつもなら俺に回される定番雑誌であるFRIDAY、FLASHといったおっさん雑誌が今日は手渡されない。さっきから俺は放置されている。

普段なら、それらおっさん雑誌を渡されると内心ムッとするのだがないのも寂しいものだ。

今、俺は前の客の忘れ形見であろう一冊しか目の前にない雑誌、「これでモテモテヘアカタログ350」に手をつけようか迷っている。

もし手にすると隣でやはり待っているギャルに「オイオイ、おっさん、テメェモテてぇのかよボケ!」と思われるか「お前はそんなん読んでも意味ねぇんだよ、コボちゃんみたいに刈り上げてください!でもあんまり青くしないでね!でいいんだよ!バカ!つうかそもそも美容院くんな!」とか思われたらどうしようと思いつつも、俺は暇つぶしに雑誌を読みたいんだ。でもたまたまこれしかないんだ!と言い聞かして、、

これでモテモテヘアカタログ350についに手を伸ばした。

つづく

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